手洗い②

右ペダルで水、左ペダルで液体ソープが出ます
右ペダルで水、左ペダルで液体ソープが出ます

こんにちは、ヒサコです。近所の庭先にある梅の木の下を通るとき、マスクから鼻を出して花の香りをかぐのが、最近の小さな喜びです。さて、コロナの状況は相変わらずですが、ひとりひとりにできる基本的なことをやっていれば、感染リスクはかなり抑えられると思っています。その基本的なことのひとつ・手洗いについて、昨年11月ケニアを訪れたときのことを少し書きたいと思います。

 

12月発行の「ケニアからの手紙」にも書きましたが、ナイロビでは食堂や店などに入るときには、体温チェックと手洗い場が必ずありました。簡易的に設置された手洗い場には、水が入ったポリタンクと、ポンプ式液体ソープ、アルコールスプレーが置いてあります。こんな時期は、センサーで蛇口から水が出てくるのが理想ですが、そうはいかないケニアでは、蛇口を触らずに水を出せる簡易手洗い場もいくつもありました。この写真を見ていただくとわかりますが、ポリタンクを置く枠組みには、鉄棒を溶接し、足踏みペダルがつけられています。ペダルがつながった鉄の棒は、ポリタンクの蛇口(下に押せば水が出るタイプ)に接続しています。蛇口を触らずして水が出るしくみです。このポリタンクと一緒に使う枠組みのスタンドは、ケニアのJua kali(ジュアカリ)が作ったと思われます。以前の「ケニアからの手紙vol.11」でも少し説明がありますが、溶接工や車のメカニックのような人たちをそう呼びます。ケニアの国語であるスワヒリ語で、Jua は「太陽」、kaliは「鋭い、暑い」。暑い太陽のもとで汗を流して働く肉体労働者のことを指します。Jua kaliたちの仕事のおかげで、手洗いを安心してできるのは、とてもありがたいことです。どこかの工場で大量生産する製品とは違い、一人親方のような個人の仕事で、こういったスタンドが作られています。ポリタンクのサイズに合った特注スタンドが、わりと手軽にオーダーできるのがケニアのよいところです。職人さんはオーダーをもらい、よい仕事をすれば顧客がつき、その顧客の紹介で新たなお客さんが来たり、注文があったりするというのが、ケニアの興味深い特徴ともいえる気がします。

 

ちなみにナイロビの空港では、膝でシンク下の壁(板)を押すと水がでるステンレス製の簡易手洗い場がありました。膝蹴りタイプもあるのか…なんて思いながら、手洗いをしたのを思い出しました。とにかく、地味ですが基本的なことを続け、コロナを早く収束させたいと思っています。