2008年8月21日発行 晩夏号vol.8
丸川さんからのメッセージ
前回の手紙でお知らせした200種の残留農薬テストの結果が出ています。つくばの㈱環境研究センターにお願いしましたが、日本の基準の10分の1、基準がない場合は、0.01ppmまでの精度で調べてもらい、もちろん全種「不検出」でした。例の毒ギョーザに混入していた「メタミドホス」も200種類の検査項目の中に入っておりました。この200種の農薬は「紅茶に使われやすいから」という意味で選ばれた項目ではなく、出回っている農薬をなるべく多く調べようという性質のものです。紅茶の生産現場では農薬不使用の方針を堅く守ってもらっていますが、となりのキャベツ畑から流れてきたというような可能性もあるわけですから、ときどき調べて報告したいと思っています。
実のところ、ナイロビの私のオフィスでは、紅茶を保管している棚から12~3m離れたところでオフィス用の紅茶を沸かしているのですが、ゴミ箱に捨てたミルクパケットにハエがでるとかで、スタッフがゴミ箱に向けて地元の殺虫剤を噴霧しているのが後で判明しました。大丈夫だとは思いましたが、少々心配させられました。その殺虫剤の成分は、除虫菊から抽出したものらしいのですが、やはりこの200種の検査項目に含まれていました。
また、前回お知らせした紅茶の特別生産ですが、初めから全部を抑えるのは難しいので、経過的、実験的に始めてみることにしました。みなさんの手元には11月半ばくらいから、届きだすようになると思います。形状が少し小さいのですが、今飲んでいただいている紅茶よりずっとおいしくなりますので、みなさんに気に入っていただけると確信しております。
次号にて、おすすめの紅茶の入れ方をお知らせしたいと思います。
最後になりましたが、申し訳ないお願いです。ここのところの燃料、食糧の値上がりにつれて、紅茶も急激に値上がりをしています。また、ケニアでの出費が、この数年来のインフレや円に対するケニアシリング高で、高騰しております。さらに大統領選挙結果に関わる年初の大暴動により、この傾向に拍車がかかっております。まったく申し訳ないのですが、2009年1月1日より10数パーセントの値上げをお願い申し上げます。個別の価格につきましては、改めてお願いする予定です。よろしくお願い申し上げます。
ケニアの緑茶?!
ケニア紅茶以外のお茶(今回は緑茶)の勉強のため、先日、日本に帰った際に、埼玉県狭山に住む友人に、緑茶工場見学のアレンジをしてもらい、製茶過程をみせていただきました。ご存知の方も多いかとは思いますが、紅茶も緑茶もウーロン茶も、同じ茶樹(学名:カメリアシネンシス)からつくられます。おおまかにいうと、紅茶は100%発酵させる発酵茶、緑茶は発酵させない不発酵茶、ウーロン茶は半発酵茶という分類をします。土壌や気候にあわせて品種改良も進められたようですが、日本の緑茶の品種は、8割が「やぶきた」だそうです。さて、緑茶の製茶過程において紅茶との違いは、生葉を10時間以上寝かし、しおらせる工程(萎凋)がないということと、酵素の働きを止める熱処理(蒸らし)があるということです。この蒸らし時間の長さで、緑茶の味がきまるそうです。
ところで、ケニアでも緑茶を(実験的に?)作っている工場があり、一度見学に行ったことがあります。たぶんその工場から仕入れているのでしょうか、紅茶以外にも緑茶やウーロン茶が楽しめるおしゃれなティールームがナイロビにオープン。何度か足を運びましたが、ケニア国産ウーロン茶をたのんだところ「ハニーかレモンが必要なときは声かけて」と、ウェイトレスが親切に(?)言ってくれました。お味は???
何か足りない感じでした。緑茶は、よく言えば『特上蒸し?』のがっつりとしたコクが…。
ここで飲めるいろいろな種類の紅茶には、カプチーノならぬティプチーノ(Teapuccino)、ジンジャーティ、シナモンティ、カルダモンティ、マサラティ、クローブティ、マサラチャイ・ラテなどのホット(ミルク)ティ、それにアイスティも何種類かあります。ちょっとしたケーキやサンドイッチ、サモサ、ミートパイなども食べられます。昼間に行ったことはまだありませんが、会社帰りに立ち寄ったときは大賑わい。活気にあふれていました。