ケニアからの手紙 vol.34

2024年12月12日発行

◇2024年を振り返って 大雨、デモ、弾劾…

 

こんにちは、ひさこです。

12月になると毎年言っていますが、早いものでもう師走…。今年をちょっと振り返ります。

 

さて、昨年11月の「ケニアからの手紙vol.33」では、ケニアでの小雨期の話を書きました。文章の最後に、「適度な恵みの雨が降りますように」にと願い、その雨期はまあまあ降ったようでした。大干ばつのあとだったので、みんなホッとしたと思います。

 

そして今年の大雨期(3~5月)は、ふだんよりも大量の雨が降ったため、道路の冠水、家の浸水があちこちであり、土砂崩れが発生した地域もありました。

SNSやネットニュースで動画も普通に見ることができるので、ケニアのどこか、無理して車を運転し、溢れる川の水に流されてしまう…なんて、怖い動画もありました。ケニアだけでなく、世界各地で大雨のニュースや被害を以前より聞くようになりました。

 

大雨期の異常な雨のあと、今度は、増税案に抗議する市民によるデモがありました。これは若者を中心にSNSで参加が呼びかけられ、最初のデモはとても平和に行われました。デモの最中「私、いまデモ参加していまーす!」的な自撮りもたくさんあり、今どきの抗議デモ・スタイル、という感じがあったようです。しかし、何回目かには、デモの一部の人たちが議事堂に入ってエスカレート。デモの参加者に向け警察が発砲、死者が出るという事件が起きました。大統領は、この件があったためか、増税案にはサインしませんでした。ただ、小さな税がこまごま導入され、物価高騰もあり、一般の人々の生活は苦しくなる一方。コロナのあと、やっと立ち直り始めたところだったのに…という感じです。

 

明るい話題としては、8月のパリ・オリンピック。陸上といえばケニア。女子1500mのフェイス・キピエゴン選手が、五輪3連覇しました。彼女は、数年前に出産をし、ママさん選手として立派に復活、大活躍しているので、今後も要注目です。

それと、ケニアではありませんが、陸上男子200m走で、ボツワナの選手が優勝したのが、びっくりニュースでしたね。

 

ほかには、ケニア警察のハイチ派遣や、副大統領が弾劾されるというニュース。とにかく、2024年もいろいろありました。そんな中、お電話で紅茶の注文を受けるとき、お客さまとちょっとしたお話をすることもあります。「ケニアのほうは大丈夫なの?」など、心配してくださる方や、商品代金の振込用紙に、応援メッセージを書いてくださる方もいらっしゃいます。

 

私たちの紅茶産地・メルーの人々は、農耕系の民族。紅茶を含め農産物の栽培は得意&熱心、実直な性格の方が多い部族です(※個人の意見です&諸説あります…)。この地域は、山の麓で太陽に恵まれ、土地も豊かで適度な降雨があります。たとえ大雨が降ったとしても、ケニア山の豊かな森や自然が受け止めてくれるので、他の地域のような大きな被害はほとんど聞きません。

みなさまからメッセージをいただくたびに、この紅茶で全国のケニア紅茶ファンのみなさまとつながっているんだな、とうれしくなります。いつもご支援、本当にありがとうございます。

 

 ◇ケニアの奨学生からのお礼のレター

 

まずは、スコラスティカ・ムキリさんからの手紙です:

 

私の学費のためのみなさまが送ってくれたご支援に感謝するために、この手紙を書いています。みなさまのご指導と応援は、私が直面していた学業の困難を助けてくださいました。

 

みなさまのご支援は、私に学びの機会を与えてくれただけでなく、学業の本当の意味を教えてくれました。みなさまのお時間や努力に心から感謝しています。

最後に、みなさま、ご寄付をどうもありがとうございました。みなさまの支えが、私の成長を助けてくださっています。みなさまのご支援、心からお礼を申し上げます。

 

心からの感謝を込めて

 

スコラスティカ・ムキリ

つぎは、ンカザ・グローリーさんから手紙です:

 

私の高校の学費に惜しみなく寄付してくださったみなさまに、心から感謝の伝えたく、この手紙を書いています。私はKithirune女子高校で2022年12月に KCSE (国の高校卒業資格試験)を受け、なんとか Bマイナスを取得しました。その後、経済的な理由で1年遅れてKagumo教員養成大学に入学し、現在は高校教員の免許取得を目指してがんばっています。

みなさまのご支援は、私が高校で切れ目なく学ぶ上で、とても重要な役割を果たしました。それは、小作農であり、シングルマザーの私の母の経済的負担を、軽減してくれたからです。みなさまのご支援のおかげで、学費の心配することなく、勉強や部活に集中することができました。みなさまのご寄付は、質の高い教育を受けるのに役立っただけでなく、より熱心に働き、将来はコミュニティに恩返しをしたいという気持ちを私に与えてくれました。

紅茶産地の若者の教育支援にご尽力いただき、本当にありがとうございます。みなさまの優しさと寛大さは、私の記憶に一生残るでしょう。お寄せいただいた温かい気持ちに応えられるよう、これからも勉強で優れた成績を収めていきたいと思います。

改めまして、みなさまの貴重なご支援に感謝いたします。神様の豊かな恵みがもたらされますように。

 

心を込めて

ンカザ・グローリー

 

 

郵便振替口座 00110-5-450063

日本ケニア交友会寄付金・奨学金係

ゆうちょ銀行 店名 ゼロイチキュウ

 

当座0450063

 

寄付専用の郵便振替用紙もご用意しております。

ご入用の方は、お申し付けください。

いつもご支援くださり、ありがとうございます。

 

 

◇奨学金プログラム 2024年新一年生たち

 

今年選ばれた、新しい奨学生の名前と学校名(小学校名→高校名)をご紹介いたします:

 

1.ウィンジョイ・カウィラさん(MURI小学校→Muthambi Girls高校)

2.エリック・ムウェンダ君 (KATHERI小学校→Muthangene高校)

3.マクスウェル・ムトゥイリ君 (GIANTUNE小学校→Kanyakine Boys高校)

4.めりさ・ワングイさん (GIANTUNE小学校→Nkuene Girls高校)

5.エヴァンス・ムトゥギ・マレ君 (NTHIMBIRI小学校→Nthimbiri高校)

6.ヴィクトリア・ワンジャさん (MUTHANGENE小学校→Muthangene高校)

7.ウィクリフ・ムトゥイリ君 (KATHIRANGA小学校→Muthangene高校)

8.エヴァリン・キナヌさん (KATHITA小学校→Nkuene Girls高校)

9.マイナ・ヴィクター・ンデグワ君 (KAUGU小学校→Nkubu Boys高校)

10.ベンソン・ムレイディ君 (KIAMIRIRU小学校→Muthambi Boys高校)

11.デニス・ムレイディ君 (KIANTHUMBI小学校→Kianthumbi高校)

12.リネット・ガチェリ・ムトゥマさん (KIJIJONE小学校→Ikuu girls高校)

13.チャズマ・モミナさん (KINJO小学校→St. Mary高校)

14.ヴンジディ・ムネネ君 (KIORU小学校→Gikurune Girls高校)

15.アルファス・ムウェンダ君 (KIORU小学校→Nanyuki高校)

16.ムテンベイ・ムテジャ君  (KITHIRUNE小学校→Muthangene高校)

17.ネイムソン・ムレイディ君 (MBWINJERU小学校→KAAGA高校)

18.フェリー・ムキリさん (MPURI小学校→Muthangene高校)

19.リネット・ムウェンダさん (MUURUGI小学校→Kianjai Girls高校)

20. エリック・コオメ君 (KARUGWA小学校→Nkubu Boys高校)

21.ベンソン・キマジ君 (KAGUMA小学校→Kithirune Day高校)

 

◇紅茶生産者からの手紙

 

紅茶生産者・製茶工場より、お手紙をいただきました。

 

(簡単な訳)2024年2月27日

『ケニア山の紅茶』をご愛飲の日本のみなさまへ

農薬不使用の『ケニア山の紅茶』について

 

位置: ギドンゴ製茶工場は、KTDA(ケニア紅茶開発社)のIV地域に属する、ケニア山の北東斜面のふもと、標高1950m、赤道直下の製茶工場です。首都ナイロビからは約240km、メルーの町からは約9km離れています。

 

紅茶生産者と茶畑: 製茶工場周辺の茶葉収穫地域には、5,505農家が登録しており、茶畑の総面積は2,802.33エーカー。一農家が所有する茶畑の平均的なサイズは、0.5エーカー(KTDAの平均は0.5エーカーで一緒)です。継続的な改善により、より高い生産性が期待できる土地です。

 

生産性: 2022年から2023年の決算期の1年間、3,974,965.5kgの紅茶を製茶しました。1ヘクタール当たりの茶畑から3,572kgの紅茶を製茶した計算になります。ケニアの国全体の平均2,660kgより多く、国内の小規模紅茶農家の平均2,287kgより上回っています(※)。生産性を上げるため、生産者農家が直面する社会的・経済的問題に、常に取り組みがなされています。私たちが抱えている主な問題は、高い燃料費、高い人件費、茶畑に投入する費用により、製茶コストが高くついているということです。

 

製茶工場の製茶容量: 茶葉5,500,000kgを製茶できる容量で、1975年に操業を開始しました。1986年~1987年に製茶工場の拡張がなされ、追加で4,500,000kgの茶葉を製茶できる工場容量になり、1996年~1997年は2回目の拡張により、更に5,000,000kgの茶葉を製茶できるようになりました。現在は18,000,000kgの茶葉を製茶できる容量に至りました。現在3つの製茶ラインがあります。また、オーソドックス・ティーの製茶ライン計画が進行中です。

 

生産品質管理: 品質を高めるため、また環境を守るため、私たちは品質管理システム、食品安全管理システム、SAN(農薬不使用を含む、持続可能な農業ネットワーク)をつくり、実行しています。

 

ISO 9001:2015 (2009年認証)

ISO 22000:2018 (2011年1月認証)

レインフォレスト・アライアンス(SAN) (2011年4月認証)

 

私たちが日本のお客様へ直接輸出するようになったのは、1990年前半です。日本ケニア交友会(丸川氏)と生産者農家/製茶工場とのすばらしい関係は、もう30年以上も続いております。

私たちが作った紅茶は、安全で農薬を使っていないということを、自信をもって保証いたします。また、KBS(ケニア基準局)でも検査をし、分析結果はいつも問題がないということを保証いたします。

最後になりましたが、私たちの紅茶を飲んでくださっているみなさまに、大きな感謝の気持ちを届けたいと思います。いつかみなさまが私たちの紅茶畑に足を運んで、生産者やスタッフたちと交流をもたれることを望んでおります。

 

 

サイモン・カラニ・イキアラ (署名) ギドンゴ製茶工場 会長

ジョージ・キマジ (署名) ギドンゴ製茶工場 工場長

 

◇編集室より◇ 

前回の「ケニアからの手紙vol.33」の終わりのほうで、「大人の小学校」の話を書きました。その小学校に通っていたママ・マーシーは、無事に卒業資格試験を終えて小学校を卒業したそうです。今度は「大人の高校」に進学し、高校卒業をめざしてがんばっているそうです。年齢などを理由にあきらめず、目標に向かって打ち込むって素晴らしいです。それと、12月12日はケニアの独立記念日。おめでとうございます!(ひさこ)

 

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