CTC製法のグレードについて
紅茶の世界で使われる「グレード」は、茶葉のサイズ(大きさ)を意味します。ですので、品質とは別の問題です。日本では「小さくて細かい茶葉は安いお茶」、「大きい茶葉がよいお茶」というイメージがあるようですが、必ずしもそうではありません。日本茶も、さまざまな形状があり、粉茶でも高級品があるように、ケニアの紅茶も、小さい茶葉だからグレードが落ちるということは、ありません。ケニア産のPrimary Gradeには、BP1(ブロークン・ペコー1)、PF1(ペコー・ファニング1)、PD(ペコー・ダスト)、もっと細かいD1(ダスト1)があります。これらより、もっと細かいサイズのF1(ファニング1)、D(ダスト)、茶の茎からできた繊維状のものが混ざったBMF(ブロークン・ミックス・ファニング)などは、Secondary Gradeとして、オークションにかけられます。
ご存知かもしれませんが、ケニア産の紅茶には、BP1とPF1以外にも、他の茶葉の名称(サイズ)があります。少し製茶過程を説明しますと、製茶過程で乾燥が終わったあとに「Sorting」があり、茶葉を篩いにかけて、サイズ分けをします。大きな篩い(メッシュ)が4段、上から下に、大→小のメッシュが重ねられています。
BP1・・・1番上のメッシュを通らなかったもの=茶葉の粒が一番大きなもの(10-12%の生産量)
PF1・・・1番上のメッシュを通り、2番目のメッシュを通らなかった茶葉(60%の生産量)
PD・・・2番目のメッシュを通り、3番目のメッシュを通らなかった茶葉(18%)
D1・・・3番目のメッシュを通り、4番目のメッシュを通らなかった茶葉(5%)
上の4種類のお茶は、モンバサでのオークションでPrimary Gradeとして取引がされます。また、日本でのティーバッグはPF1しか使われませんが、英国をはじめとする紅茶を飲む国では、PF1よりもっと細かいPDやD1も、ティーバッグに使われています。細かい茶葉は味もコクも強いので、その国の嗜好にあった茶葉が使われるようです。粉のような細かい茶葉(例えばPD)が非常に高い価格で、オークションで取引されることもよくありますので、「小さい・細かい茶葉が安い、質が悪い」というわけではありません。
Secondary Gradeの中には茶の茎からできた繊維だけのBMF(ブロークン・ミックス・ファニング)や、その繊維と紅茶が混ざったF1(ファニング1)、さらに細かいD2(ダスト2)があります。味もカフェインもかなり強めで 、特にイスラム圏(エジプト、スーダン、アフガニスタンなど)で好まれるようです。ちなみにD、F1、BMFの生産量は数%ずつです。