環境に配慮した輸送…

シートパレットをご存知ですか?

 

「コンテナ」とか「パレット」というものは、日常生活であまり身近なアイテムではないかもしれませんが、「シートパレット」について少し説明させていただきます。

 

従来は木製パレットに紅茶を載せて、それをコンテナに積み込み、日本まで海上輸送していました。木製パレットは、木の板とブロックを組み合わせ、もちろんケニアの木で作られます。製茶工場からモンバサ港の倉庫に輸送するために、その木製パレットに載せ、トレーラーで運びます。そして、コンテナに積み込む輸出用パレットは、世界的なルールに基づき、専門の会社で燻蒸します。燻蒸したパレットは、国際的に取り決められたスタンプを押して輸出に使いますが、積降港のほうで植物検疫上、問題になることもあります。そして何より、一方向だけの輸送のために森林の木が使われる(=使い捨て)という、資源の無駄に注目しないといけません。ケニアの森で切られた木材が日本に着くと、ほとんどリサイクルされず産業廃棄物となり、処理にもお金がかかるという、資源とお金の無駄が生じています。

 

「もったいない」で有名になった植林活動でノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんは、ケニア出身です。そのケニアから木製パレットで紅茶を輸出するのは考えなくてはならない…。ということで、当会は2012年11月モンバサ出港分から、木製パレットをやめて「シートパレット」に切り替えました。シートパレット(英語では「Slip Sheet」)は、硬いクラフト紙製のパレットです。取り扱いには特別なフォークリフトを必要としますが、何より軽量、スペースを取らず、木製パレットのように害虫の心配もない、ということで取り入れることにしました。紅茶輸出国のケニアは、すでにヨーロッパ向けの紅茶にはこのパレットが70%の割合で使われているとのことです。

 

当会は、環境に配慮したパレットに切り替え、紅茶を輸送しています。