靴の修理

こんにちは。

長年履き続けたスニーカーのつま先が、少しペロンと本体から離れました。接着剤が取れた模様。このまま履き続けるとつまずきそうなので、修理することにしました。

 

前回、お古のランニングシューズをあげた、路上でM-pesa代理店業をやっている彼女に相談したところ「直せる人を知っている人を知っている」とのことで、壊れている片方だけを託しました。例えばこのあたりの道端の修理屋なら200シル=約200円が相場かなと思いながら、修理代の予想を聞いてみた。「このあたりの路上の靴磨きも、修理をやっているけど、クオリティが信頼できない上、200シルくらい要求してくるわよ。Don’t worry」とのこと。200シルでも高いほうなのか~と、黙って聞いていると「もちろん後払いでOK。任せて」と引き受けてくれました。

 

週末をはさんで「靴の修理が終わっていま手元にあるけど、どうする?」と電話があったので、いつものゲストハウス受付に預かってもらい、次に会ったときにお支払いすることに。お代は80シル=約80円でした。

 

後日、ゲストハウスにチェックイン。靴を受け取りました。ちゃんとつま先が本体にくっついている。しばらくは問題なさそうです。よく見ると、接着剤だけでなく、手縫いで修繕されていました。たしかに、くっつけるだけなら、強力な接着剤を買い、自分でやればいいわけだけど、手縫いはできません。「きちんと仕事してくれて80シルは安いね」と彼女に言うと、「ここらへんでやったら高いけど、あっちのほう(下町方面)では、これが普通」と話していました。

 

2004年にノーベル平和賞を受賞したケニア出身の故・ワンガリ・マータイさんは、かつて日本語の「もったいない」という言葉に感銘を受け、彼女の活動にその精神を取りいれました。ケニアでは、その日本語を知っている人はほぼいないと思うけど、直せるものは直して使う、壊れているものも、なんとか直す(!)ということを普通にやってのけています。それは経済的に新しいものを買えないという懐事情も大いにあるけれど「ダメになったら捨てて、新しいのを買えばいい」ということが、最初の選択肢ではないのかもしれません。

 

実際、エリアにもよりますが、使い終わった空き容器(例えば食用オイルなどが入っていた、しっかりめのプラスチック容器など)が売られています。特にこういったエリアでは、少々壊れても、使えるものは直して使う、捨てられたものも洗って売って小銭を稼ぐ!というのが基本的にあるのだと思います(隠れもったいない精神ですかね)。日本だったら「そのモデルは生産終了。修理は高くつくのでこちらの新しいモデルはいかがでしょうか」という流れで、新しく買うということがほとんど。大切に使っていきたいけど、それをしづらくしている環境に囲まれてしまっています。もしくは、百均で買って、すぐに壊れても悔しくないもので済ませちゃう、といった感覚が普通にあったり。ケニアでは、日本でのそういった当たり前に使い捨てる態度に、喝を入れてくれます?!

 

ちなみに、靴の修繕を手配してくれたM-pesa代理店の彼女に、今回奮発して、新品のアシックス・シューズをプレゼント。とても喜んでくれました。普段は中古の靴や修繕して履くことが当たり前だと、新品の喜びはひとしお、ですかね。10月終わりにはナイロビ・マラソンがあるようだから、もしそこで走ったら、また写真なんか送ってくれて、アシックスとともに完走した喜びを、おすそ分けしてくれるかもしれません。