車窓から

こんにちは。

「車窓から」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか。列車の旅でしょうか…。私は、あのご長寿番組が頭に浮かびます。列車の旅には何か懐かしさと、新幹線のような早くて便利な手段とは、ひと味もふた味も違うよさを感じますよね。

今回、念願のSGR(ケニアの新しい鉄道、Standard-gauge Railway)に乗ったので、記録として書き残したいと思います。

 

2017年6月にこの新しい鉄道(SGR)にお客を乗せるサービスが始まったころは、ケニアで初めて近代的な、高速で大都市間を移動できる手段だと、ケニアンはそうとう喜んでいるようでした。が、中国からの大きな借金でできた鉄道の闇に、だんだん気づき始めている今日この頃です。

 

さて列車の予約。ナイロビに住む友人が事前にオンラインで予約し、電子マネー・M-pesaで支払いを済ませてくれたので、当日、出発するモンバサの駅に行くだけでした。オンラインとキャッシュレス、とても助かります。ただ、駅で切符の印刷をして、紙の切符をもらわないといけないので、ここだけは古いなぁと感じました。

 

今回は港町・モンバサからナイロビまでの区間を旅しました。ターミナス(駅)に入る前のセキュリティーチェックは厳しめ。飛行機と同様、機内持ち込み禁止の刃物は、持っていると没収だそう。保安検査後、無駄に立派な駅の建物に入れます。駅に着いたのが早すぎたから、他の乗客はあまりいませんでしたが、その代わり「軽食や飲み物は要りませんか」と、客引きのお兄さん・お姉さんがメニューを持ってやってきました。軽食をして、待合スペースでぐずぐずしているうちに、出発時刻の午後3時になりました。そのころにはさすがにたくさんの人たちが駅に入ってきました。多くの人は出発ぎりぎりに駅に入るんですね。週末だったので、満席だったようです。

 

予約したファースト・クラス2号車に入ります。4人の旅だったので、シートを向かい合わせにしたら、膝と膝がぶつかり合うくらい狭くなりました(シートを向かい合わせにしなければ、足のスペースは大丈夫です)。一番先頭の車両はカフェになっていて、ゆったりお茶や軽食が楽しめます(アルコールもあります)。モンバサを出発して、途中のVoiという駅で少し人が乗ってきました。

 

SGRはゾウが有名なツァボ国立公園の中を通ります。モンバサからナイロビに向かうときは、右側に見えました。たくさんのゾウがいたあたりでは、見事にシャッターチャンスを少し逃しましたが、小さく1頭のゾウを撮ることができました。夕暮れの時間帯、左側には、キリマンジャロも見えて、なかなか味な列車の旅になりました。そしてナイロビには夜の8時20分ごろに到着しました。

 

モンバサ⇒ナイロビ(約480kmの距離)を5時間ちょっとで移動しました。最高時速は100kmあたり。新幹線に慣れてしまっている日本人には、この列車は遅く感じるかもしれません。それと、環境保全&野生動物保護の観点、また中国への返済問題などなど…議論は尽きませんが、車窓から見えるアフリカの広大な景色とその変化をシンプルに楽しむなら、このSGR体験はよいかもしれません。