手洗い

こんにちは、ひさこです。

あの猛暑が終わったら急に冷えてきましたね。ケニアは日本と逆で、6~8月が一年で最も寒いシーズンです。日本の冬のように、風邪の人が多い時期でもあります。が、今年はコロナのせい(おかげ?)か、みんな普段以上に気をつけているからか、咳をしたり、鼻をかんだりする人が例年より少なかった気がする、とナイロビの丸川さんが話していました。たしかに自分自身も、手洗い・うがいを今まで以上に念入りにするようになり、手指消毒スプレーがあちこちにあるおかげか、喉が痛くなったりしていないなと、感じています。

 

新型コロナがアフリカ大陸でも確認されてから早々に、「アフリカにはきれいな水がない地域が多く、スラムなどでは小さな部屋に大家族が住んでいるから、感染がはじまったら大変なことになる」と、たびたび報道されていましたし、私たちもそれを心配していました。が、恐れていたほどの爆発的な感染が、今のところケニアでは起きていないようです。コロナに限らず、さまざまな感染症がいつも身近にあるため、手洗いは自然に身についてやっているのも爆発的な拡大を防いでいる要因のひとつかもしれません。

 

今年はコロナで中止でしたが、毎年8月終わりに、支援している奨学生たちをギドンゴ製茶工場に集めてセミナーを行っています。そこでは製茶工場の女性スタッフが中心となり、地元の素材を生かした料理を準備してくれます。食事前、女性スタッフが、きれいな水の入った容器と水を受ける桶を準備し、参加者は順番に手洗いをします。少し上から手に水を流してくれて、ちょうどよいところで「ありがとう」と言って、お水を止めてもらいます。お水のときもありますが、心地のよいお湯のときも、結構あります。その即席手洗い場の雰囲気が、なんともやさしくて、もちろんケニア贔屓の私にとっては、うれしいおもてなしのひとつなのです。

 

前に、東京オリンピックの誘致の際に「お・も・て・な・し」というのが流行りました。おもてなしを、まるで日本の専売特許のような表現をする番組をみることがありますが、きれいな水がじゃぶじゃぶないような国や地域で、客人の手を貴重な水でリフレッシュさせてくれることは、私にとっては心のこもったおもてなしです。小さなことかもしれませんが、歓迎してくれている感じが、すごく伝わるのです。もちろん、汚い手で食事をしたら危ないという意識が、しっかり頭に入っているから、手洗いをする/させる習慣が身についているのだと思います。そんなケニアにおいて、身を清潔にする行水、そして以前のブログでも紹介した洗濯、あとは感染症を正しく恐れる姿勢が、コロナ感染拡大防止に役立っているのかもしれません。

 

ケニア式の手洗いのことや、ケニア人のやさしさを思い出しながら、手洗いを心がけています。みなさんも引き続き、手洗い・うがいを励行しましょうね!