こんにちは、ひさこです。今回は、ケニアで見かけるステッカーについて。
下の写真は、ナイロビのおみやげ屋さんでつい買ってしまったステッカー「Danger Ex Matatu Driver(危険!元マタトゥ運転手)」。マタトゥは庶民の足で、ルートの決まった乗合タクシーです。その運転手といえば、いまは少しマシになったような気がしますが、かつて、ルール違反はあたりまえの無謀な運転が有名でした。渋滞では、歩道、中央分離帯、すいている反対車線を使って前に進み、無理矢理に割り込む。割り込むときも「絶対に入れさせろ!」という勢いで突っ込んできます。渋滞中の車線変更も「譲らないと、ぶつけるぞ」と言わんばかりに強引に入る。関わらないほうがよい類の人たちです。とはいっても、悪いことばかりではなく、下町のごちゃごちゃした乗り場などで、ミリ単位で切り返し、駐車するテクニックを持っていて、ある意味とても腕のいい運転手とも言えます。怖い運転手ばかりでなく、やさしい人ももちろんいますので、道路を渡ろうとしている荷物を持った女性や子どもに「どうぞ、どうぞ」と通してあげたり、曲がろうとしている反対車線の車に道をゆずったりも見かけます。自家用車だけでなくマタトゥの運転手さんたちも、以前に比べ、譲ってくれる人が増えたと感じます、いいことですよね。
あと、丸川さんが渋滞で見たというステッカーは、スワヒリ語で「Utamu wa kazi ni pesa」。ざっくりとした意味は「仕事のうまみは、おカネ」と、なんとも直球メッセージに、ケニア人のユーモアを感じたそうです。たしかに!
ちなみに、いま道路上でタチの悪い輩は、ボダボダ(バイクタクシー)です。もとの意味は、国境(Boarder=ボーダー)を自転車で行き来するサービスを指していました。いまはバスやマタトゥのターミナルなど、どこでもみかけます。当然の権利のように、道を逆走するし、ヘルメットを着けていないし(たとえ運転手自身が着用していても、お客さん用ヘルメットがないなど)、とにかくひどい。勝手にバイクの運転を始め、道路上のルールを知らない連中が多い、という話を耳にします。ただ、これもひとくくりに「悪い!」とは言えなくて、町中では困った存在ですが、車が少なく交通網が発展していない地方などでは、とってもありがたい存在なのです…。
ついつい話が反れてしまいましたが、渋滞で「進まないな~」と前の車をふと見たとき、【以前はマタトゥ運転手でした】とか【仕事のうまみは、おカネ】なんてステッカーが貼ってあったら、フフっとなってしまいますよね。なんとなく買ったおみやげでしたが、冗談好きなケニヤンを思い出させてくれる、貴重な一枚となりました…。