この本は、ケニアにとモザンビークに行ったときの取材をもとに、池上彰さんが書いたアフリカの入門書です。池上さんは、「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、時事問題や世界情勢など、子たちにわかりやすく解説してくれることで人気を博した方です。以前、「グローバル人材とは何か」というシンポジウムでお話を聞いて以来、ますますファンになりました!
さすが、池上さん。「入門」ということで、気軽に読み始められるよう、基本的な情報を地図や図を使って教えてくれます。「マエセツ」では、気をつけて読み進める点を挙げてくれて、「まとめ」でばっちり締めくくってくれています。さまざまな分野で活躍する人との対談も掲載されていて、これを読んだら、アフリカに興味を持つ人が増えるのではないかな、と思うような一冊です。
ケニアについて書かれた部分では、これまでの知識をさらに深めてくれる情報や、身近なお米の話、地熱発電や港の開発の解説があり、フムフム…と学ぶことができます。また「シーフードがおいしい」と噂のモザンビークにおける、「回路構想」をていねいに説明してくれています。近隣諸国との協力なしでは発展しない広大なアフリカ。たくさんの国と多様な人種がひしめく大陸が、いまある問題・これからの問題をどう対処して発展していくのか。ポイントを押さえて書いてくれています。
『私たちはあまりにもアフリカの自然を、地理を、国の成り立ちを、宗教を、民族を、そして経済を知りません。アフリカを「予習」しましょう。リスク回避も、正しい理解も、そして「投資」も「仕事」もすべてそこから始まります』と、池上さんは訴えかけています。遠いアフリカを身近に感じさせつつ、どのように関わっていくかを、読者に問いかけているようです。
「こんな人が学校の先生だったら、小さい時にもっと勉強したのにな~」と、いつも思います…。入門編に引き続き、中級編や上級編が出版されるのを楽しみにしています!!