今年最後のブログですので、ケニアの休日について書いてみます。
ケニア山のふもとの茶畑で、一年を通して茶摘みをしない日は(乾期を除いて)日曜と祝日のみ。それ以外は、ほぼ毎日茶摘みをします。お休みの日には、紅茶農家の皆さんは何をしているのでしょうか…?
イギリス植民時代の影響で、80%以上のケニア人はクリスチャン。日曜日には思いっきりおしゃれをして教会に足を運びます。聖書を読んで、牧師さんのお説教を聞き、その他歌って(踊って?!)にぎやかにやる宗派もあります。独身の人たちは同じ教会のメンバー内でお婿さん・お嫁さん探しをするとか…。そのほか、助け合いする婦人会グループを作ったり、社交の場でもあります。聖書も英語のほか、スワヒリ語や部族の言葉で書かれているのがあります。
私たちの「ケニアの紅茶」の栽培地域・メルー県では、ほぼ99%がキリスト教徒です。どこに行っても、素朴な教会があるというのも特徴です。伝統的宗教を信じているお年寄りも少しいると聞いたことがあります。ケニア山の頂に「神」が座っていて、かつてはその神にいけにえを捧げていたとか。また、神聖なる(イチヂクの)木があり、むやみに入り込んで切ったりしてはいけないということを信じている…など(こういう話は、個人的にとっても興味深いので、また別の機会にご紹介させていただきますね)。
その他の宗教というと、ヒンドゥー教、イスラム教があります。イスラム教徒の多くはアラブの影響を強く受けた、港町モンバサ(インド洋沿岸地方)に多く住んでいます。ラマダン(断食)月になると、ケニアの新聞にも「日の出/日の入り時刻」が毎日掲載され、敬虔な回教徒は断食をします。断食が終わるとお祝いをするので、カレンダーに載っていないケニア祝日が1つ増え、イスラム教徒ではなくともお休みになります。新聞には大物政治家や大手企業が「断食明け祭おめでとう!」の広告を出します。
12月に入ると、ケニア人はそわそわし始めます。独立記念日(12月12日)ごろからクリスマス翌日のボクシング・ディ(12月26日)まで、ためておいた有給休暇を組み合わせ、長い休みをとる会社勤めの人もいます。もう、そうすると仕事どころではありません!特にナイロビの12月はホリディムード一色と言ってもいいかもしれません。
しかし茶畑で働く人たちは、茶葉を摘まないと収入につながらないので、日曜・祝日以外休むわけにはいきません。毎日茶摘みをすることが、茶畑の一番のメンテナンスになるからです。製茶工場も茶葉が摘まれる限り、ほぼ年中無休で稼働しています。
とはいっても、やっぱりクリスマスには、都会で働く親戚が故郷に戻ってきますので、ありったけのご馳走(地鶏肉が1番人気、続いてヤギ肉、チャパティなどなど)を食べ、家族や親戚との時間を大切にします。クリスマス・カード交換も行われます。新年は1月1日だけが祝日で、基本的には2日から仕事はじめ。日本ではお正月に重点が置かれますが、ケニアのキリスト教徒は、クリスマスを盛大にお祝いするのです。
「ケニア山の紅茶」にかかわっているケニアの人びとのおかげで、私たちは日本にいながらおいしい紅茶を毎日飲めるんだなーと思うと、おいしさが増してきます。そして、この紅茶を飲んで支えてくださっている日本のみなさまに、大きな感謝の気持ちを伝えたいと思います。今年一年、大変お世話になり、ありがとうございました。そして来年もどうぞよろしくお願いいたします。