2008920日発行 臨時号vol.9  

 

丸川さんからのメッセージ

今回は11月ごろに予定している特別生産の新しい紅茶への変更時期が迫ってきていますので、臨時号を発行することにしました。  最初から完全には無理なのですが、特別生産の狙いとしてはトラフ(生葉を置く棚)をおさえることによって、Buying Center(茶葉集荷場/生産者)を把握すること、生産過程を監督することによって異物混入等のトラブルを防止すること、そして品質を高めよい紅茶をつくること、生産過程の最後であるSorting(サイズのふるい分け)のあと、すぐ袋詰めすること、を想定しています。生産過程をおさえなければならない関係で、茶葉が少し小さいタイプになります。したがって、今までより少し濃く紅茶が出ます。それに関してはひさこさんがこのあと、おすすめの飲み方の提案をします。

 

ケニアの紅茶、特に交友会の紅茶はコクが特徴ですので、そのコクを十分にあじわってもらいたいと思っています。そのコクは、ケニア山北東斜面で酸化鉄を多く含んだアフリカ特有の赤土と、ケニア山の火山からの弱酸性の火山灰土が微妙に混ざり合った土と、赤道直下の強烈な太陽を受けて育った茶葉に特有なものです。  

この交友会の紅茶のコクも、こうした自然のバランスと恵みによるものだと思います。(※1)(※2)

 

※1 Google Earthでみると、工場は赤道の2300m以内にあります。また、茶葉収穫地域は、北半球と南半球にまたがっています。 

※2 赤土に含まれた3価の酸化鉄は水に溶けませんが、弱酸性の火山灰土と混じり合った土に雨が降りますと、ごく一部が水溶性の二価の酸化鉄に変化するのだそうです。

 

この水溶性の2価の酸化鉄が、植物に取り込まれると、糖分やポリフェノール、さらに、抗活性化酸素物質が増加するという報告があります。 

200911日の価格値上げ(※3)より、すこし早めに新しい紅茶に変更しますので、ぜひお試しください。ちょっとビックリするくらい美味しくなっていると思います。 

※3 新価格については、早々にお知らせいたします。 

 

おすすめの紅茶の入れ方・その1

たくさん用意するとき (マグカップ約8杯分)

 

魔法瓶をご用意ください

茶葉 … ティースプーン 山盛り8杯

牛乳 … 適量

水 … 1.5~1.6リットル

 

 魔法瓶と保温性のよいフタ付の鍋を用意する

 1.6リットルの(魔法瓶の容量の)水を、沸騰させる

 火を止めて、茶葉を入れ、ふたをする

 ふたをしたまま4分待つ(※1)

 茶漉しを使って、最後の一滴まで出し切るように、魔法瓶に移す

 ストレートティーをマグカップに先に入れてから、温かい牛乳をたっぷり注ぐ(※2)

 お好みで砂糖を加える

※1 「ケニア山の紅茶」の特徴であるコクを楽しんでいただくために、茶葉を多く、抽出時間を長めにしてあります。いつもより濃いめにつくってください。

※2 牛乳は電子レンジなどで温めておいてください(ふきこぼれにご注意)。比較的たくさんのミルクを注ぎますので、牛乳は温めることをおすすめします。

 

繰り返しになりますが、紅茶は濃い目でご用意ください。紅茶の渋み(タンニン)と、牛乳のたんぱくがうまく結合して、いいコクをお楽しみいただけます。また、砂糖を加えると、味が引き締まり、おいしさが増します。紅茶のしっかりとした味が好きな方は、茶葉を多めにしたり、紅茶の抽出時間を長めにしたり、研究してみてください。渋いのが苦手の方は、茶葉を少なく、抽出時間を短めに…。

 

ナイロビのオフィスにいるときは、マグカップで何杯も紅茶を飲むので、こんな風にたくさん用意してもらっています。紅茶の入っている魔法瓶を開けるたびに、紅茶のいい香りが…。日本ケニア交友会は、紅茶を先に、温めたミルクはあとから、色を確かめながらマグカップに注ぎます。

 

編集室より

長らく、地域密着型陸上部を通して、ケニアの若いアスリートの育成支援をしていた丸川さん。ここナイロビ・オフィスには、現在、日本のマラソンも走っているインターナショナル・ランナー、アイザック・マチャリア君がインターンとして働きに来ています。大学の商学部にて勉強中で、インターン実習が単位取得として必須とのこと。また、北京オリンピックの男子マラソンで優勝したサミュエル・ワンジル選手が、ケニアに戻ってきた翌日に、なんと金メダルをぶらさげてこの事務所へ表敬訪問に来ました!生まれて初めて、オリンピック金メダルを触らせてもらいました!(ひさこ)