ケニアからの手紙 vol.31

2022年1月26日発行

 

◇新春のごあいさつ

 

こんにちは、ひさこです。新しい年が始まり、寒さが一段と厳しいシーズンがやってきました。本年も「ケニア山の紅茶」ともども、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、昨年みなさまにはお手紙でご報告できておりませんでしたが、コロナ禍でしたが、昨年4月と9月に2週間ほどケニアに行って戻ってきました。

 

2021年3~4月のケニアは、コロナ感染が拡大していました。毎年ケニアには2月と8月に行くのですが、いつもの予定を後ろにずらしたら、逆にコロナ感染が拡大した時期でした…。当時は、夜間外出禁止令とともに、外食は禁止されていて、デリバリーかお持ち帰りのみでした。とはいえ、ずいぶん丸川さんのおうちでお世話になってしまいました。スマホの普及のおかげで、首都ナイロビでは、驚くほどデリバリーのバイクをみかけました。送金をはじめデジタルの広がりと活用、ケニアではかなり進んでいるように思います。

 

そして、9月のケニア。オリンピック時期とともに日本では、感染拡大、7月末の丸川さんの緊急入院・退院で、いつもより緊張の出張となりました。丸川さん、一時は危なかったそうですが、10日ほどで退院。お医者さんも「よく回復したな」と話していたそうです。奥さまをはじめ、お嬢さん、親戚、会社スタッフや友人の支えと連携のおかげで、危機を脱しました。海外、しかも途上国で病気になることの重大さを目の当たりにしました。が、それでも40年もケニアに腰をすえて培ってきた丸川さんの人間関係が、こういう場面で生かされたのだと改めて感じました。ケニアでは病院にかかったことのない丸川さんでしたが、今回は観念し(?)お医者さんのいうことを聞いて、お薬もきちんと飲んでいます。それと週2回の人工透析のため病院に通っています。

 

ケニアでは、NHIF(National Hospital Insurance Fund、国の医療保険基金=国民保険のようなもの)に加入、所得に応じて保険料を払っていると、人工透析は無料で受けられます。ウフル・ケニヤッタ大統領も、透析が無料で受けられる件をどこかの遊説で自慢していたそうです。透析が保険でカバーされる以前の話ですが、丸川さんの義理の弟さんが、急病で1週間集中治療室に入り、透析を受けたときは50万円近くの請求がありました。丸川さんの支援おかげで無事退院することができ、いまは元気にしています。もしこれが、月収が3~4万円ほどの一般的なケニアの人だったら、とても払える金額ではなく、亡くなっていたでしょう。国民の大多数は、いまだに暮らしに余裕がないのがケニアの厳しい現状です。

 

◇奨学金プログラム 新一年生のご紹介

 

コロナ禍でも、これまでどおり私たちの奨学金プログラムは継続しています(現在66名が高校在学中)。

2021年に選ばれた新しい学生たち14名をご紹介いたします:

 

1. リザ・カリミ・ムリウンギさん(KATHITA小学校→Muthale女子高校)

2. コリンス・コオメ・カズリマ君(KIJIJONE小学校→Kangaru男子高校)

3. ガートルード・カナナさん(MUTHANGENE小学校→Ikuu女子高校)

4. ケルヴィン・ムトウィリ・ムゼー君(MURUUGI小学校→Abothoguchi男子高校)

5. ジャスター・カナナさん(NTHIMBIRI小学校→Kaaga女子高校)

6. ブライアン・ムチュイ君(MURI小学校→Kiriani男子高校)

7. オースティン・ムグナ君(KIAMIRIRU小学校→Ontulili男子高校)

8. ヴィヴィアン・ガトウィリさん(KITHIRUNE小学校→Gikumene女子高校)

9. カロライン・ナイトレ・ムトゥマさん(KAUGU小学校→Kithirune女子高校)

10. スコラスティカ・ムキリさん(MBWINJERU小学校→Nkuene女子高校)

11. アルヴィン・ムワンギ君(KINJO小学校→Gikurune男子高校)

12. ジョセリン・カノリオさん(MPURI小学校→Gakuuni女子高校)

13. ベティー・カランブさん(GIANTUNE小学校→Kirigara女子高校)

14. プリンスウィン・ムウェンデ・ムバイェさん(MPURI小学校→Gikumene女子高校)

 

◇コロナ禍 ケニアの学校では

 

2020年4月に学校閉鎖があって以来、学期がずれ込んでいます。が、ケニアの教育省は、長期休みを短縮して、2023年12月までには、もとに戻そうとしています。

コロナ以前は、毎年10・11月に小学校、高校の卒業資格試験(それぞれKCPEとKCSE)を実施していましたが、コロナによる遅れのため、去年11月実施予定だった試験は、この3月に実施される予定です。

 

 

◇奨学金プログラム 奨学生からのレター

 

現在、Nkubu男子高校の最終学年、エノック・ムウェンダ君(写真は2018年)からのレターです:

     

(簡単な訳)

私へのご支援、本当にありがとうございます。みなさまの援助がなければ、私の夢は閉ざされていました。いま私は、高校の最終学年で、卒業資格試験に向けて真剣に準備をしています。試験がうまく行くことを願っています。ご支援、とても感謝しています。神様の祝福がありますように。

 

 

 

つぎに、奨学金プログラムで高校に進学し卒業、現在は大学生のウィルフレッド・コオメ君と、前回も手紙を書いてくれたポーリーン・キニャさんからお礼のメールが届きました。

まずは、ウィルフレッド・コオメ君の手紙です:

 

(簡単な訳) 

私はDedan Kimathi University of Technology(デダン・キマジ工科大学)の4年、化学工学の学生、ウィルフレッド・コオメです。高校在学中には、日本ケニア交友会の支援を受けた奨学生でした。丸川氏とみなさまには、貧しくとも優秀な生徒とその親に向けて、支援の手を差し伸べてくださったことに感謝しています。

私が小学生のとき、両親が将来、私の高校の授業料を払えるのかわかりませんでした。しかし、丸川氏がその学費の問題をなくし、教育を受けられるようにしてくださいました。まるで天から送られた天使のようでした。言葉では言い表せないくらいです。どうか、私の心からの感謝を受け取ってください。みなさまの支援は、私だけでなく他の奨学生たちの人生に大きな影響を与えてくださっています。どうぞおからだを大切になさってください。そしてさらに多くの生徒たちが助けられることを祈っています。神様の祝福がありますように。本当にありがとうございました。

 

つぎに、ポーリーン・キニャさんからのレターです:

 

(簡単な訳) 

ポーリーンです。Jomo Kenyatta University of Agriculture and Technology(ジョモ・ケニヤッタ農工大学)で生物化学と分子生物学を学んでいます。2015年から4年間の高校では、日本ケニア交友会の奨学金プログラムで学費を支援してもらいました。

経済的に苦しい家庭で育った私には、小学校卒業後、高校進学は困難でした。高校進学の夢がほとんど破れかけていたとき、丸川氏とみなさまが学費のサポートをしてくださいました。このご支援に対して、心からの感謝の気持ちをうまく文章にすることができません。

丸川氏とみなさまが、メルー・ギドンゴ地区の多くの生徒たちの人生に寄り添ってくださっていることに感動しています。

大学に進学できたことは、私の中では大きな達成となりました。もしも、みなさまの支援がなかったら、大学進学はいまだ、夢のままでした。

みなさまの支援は、私ののちの人生で、地元に還元するという夢のスタート地点です。

最後になりましたが、日本ケニア交友会とみなさまの大きな発展を心から祈っています。ありがとうございました。

 

寄付専用の郵便振替用紙をご用意しております。ご入用の際は、お申し付けください。みなさまのご支援・ご協力に感謝申し上げます。

 

◇編集室より◇

いつもはミルクティーですが、ストレートの紅茶がインフルエンザ予防になるそうで、ひとくち、ふたくちストレートティーを飲んでからミルクを注ぐようにしています。(ひさこ)

 

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