ケニアからの手紙 Vol.29 2020年3月10日発行

◇ナイロビ・丸川さんからのメッセージ

 

こんにちは、富塚比咲子です。

手紙は2年ぶりですが、丸川さんが書く様子がないので、それに「お前書いとけ」と言われたので、これからは私が書きます。

 

実は丸川さんが2018年7月に膝の骨を骨折して、8月に日本で手術を受けました。その後の回復がいま一歩遅いので、ちょっと鬱ぎみのようです(本人は、怠けぐせがついたと言っています)。丸川さんは、今年2020年で70歳になるそうです。

 

それでは、一番お知らせしたい奨学金プログラムの話を始めます。まずは、去年の新一年生の名前と学校をご紹介いたします。

 

◇2019年 奨学生のご紹介

 

2019年の新一年生をご紹介いたします。

 

1. イアン・ムテンビ君 (Mbwinjer小学校→Kariene Day高校)

2. ブライアン・ムェンダ・キアメニ君 (Mpuri小学校→Chugu 男子高校)

3. ウィルブール・ブル君 (Muthangene小学校→Otulili男子高校)

4. トレシィー・カウィラさん (Kinjo小学校→Kinjo女子高校)

5. イヴォンヌ・キニャさん (Kathita小学校→Kithirune女子高校)

6. リサ・ンズラ・キジンジさん (Kioru小学校→Nakuru女子高校)

7. エロシー・ケンディさん (Kijijone小学校→Kunene Day高校)

8. ゴッドフリー・ムリウキ君 (Muruugi小学校→Nkubu男子高校)

9. ドリーン・キリミさん (Kaugu小学校→Ruiga女子高校)

10. エルヴィス・ムネネくん (Kaguma小学校→Nkubu男子高校)

11. グローリー・ンカザさん (Kathiranga小学校→Kithirune女子高校)

12. ヴィッキー・ンティヤリさん (Kianthumbi小学校→Kisima女子高校)

13. ネディジョイ・ワンジク・カナナさん (St. Theresa小学校→Our Lady of Mercy女子高校)

14. カロライン・カリミ・キマジさん (Kithirune小学校→Yururu女子高校)

15. ブライアン・ムリウキ君 (Kaguma小学校→Igembe男子高校)

16. エドウィン・ムガンビ君 (Muri小学校→Kanyakine男子高校)

 

◇2019年8月 奨学生を集めてのセミナー

 

毎年恒例の奨学生を集めてのセミナーを、2019年8月25日(日)にギドンゴ製茶工場で行いました。司会は製茶工場の茶畑マネージャー・ムズリ氏。出席者は製茶工場マネージャーやスタッフ、農家代表のチェアマンと役員、奨学生を教えていた小学校の校長先生と奨学金をもらって高校を無事卒業した学生のおやごさん、日本ケニア交友会のムンガイ氏、そして奨学生(51名)と卒業生(2名)。

 

開会はお祈りではじまり、製茶工場の女性スタッフたちが準備してくれたランチをいただきます。そのあと、出席者全員が簡単な自己紹介をしました。

自己紹介では、奨学金をもらっていた学生のお父さんも自己紹介。それを英語でやってのけたのを、司会・ムズリ氏が感動し、みんなに拍手を求めました。「小規模に農業を営むこちらのお父さんが、こんな立派に英語で自己紹介、そして感謝のことばを述べられるって、素晴らしいと思いませんか!」

また、今回は奨学金のおかげで無事、高校を卒業し、いまニエリ大学在学中のウィンフレド・コオメ君と、この9月にジョモケニヤッタ大学に入学するポーリーン・キニャさんが顔をだし、本人たちの経験と学生たちへのメッセージを熱く語ってくれました。特にポーリーンさんは、「この奨学金がなかったら…私はここまで来られなかった」と少し涙を浮かべながらスピーチしていました。

 

農家代表役員のメアリー・バブさんもスピーチをしました(役員7名のうち、女性を一人選ぶというルールが導入されてから、2人目の女性役員です。一代目の女性役員はマケナさん)。彼女は仕事をしながら4人の子どもを育てた母として、自己対話、目標を設定する大切さなどを学生たちに伝えました。

 

そして、農家代表チェアマンのムレディ氏がスピーチ。まず、新一年生たちのために、ケニア交友会とギドンゴ製茶工場の長い関係や、公立小学校への寄付、奨学金プログラムなどの支援について、簡単に説明してくれました。「交友会代表の丸川氏は、フェアトレードや無農薬について、それが言われ始めるかなり前から、私たちにアドバイスしてくれていたました。ビジネスだけの関係ではなく、会社の名前どおり、友情関係を大切にしながら、ギドンゴの紅茶だけを買ってくれているんだよ」と、高校の校長先生だった経験もお持ちのチェアマンは、学生たちに語ります。そして、いつも学生にこう言います「学校を出ておとなになったら、自分のふるさとに還元しなさい」と。

「Think positive(前向きに考え)、Be focused(集中して)、Hard work(勤勉に)、そしてGood company(よい仲間とつきあう)ことがだいじだよ」と学生に訴えました。

 

交友会のマネージャー・ムンガイ氏は、2011年から始まったプログラムについて、卒業生たちの成績などを交えながら説明。また、出席している学生には、成績表と授業料詳細などを製茶工場に提出するように伝えました。

今回は、現役の奨学生だけでなく、このプログラムで無事高校を卒業したOB・OGも出席したおかげで、この会がいつになくいきいきとしていたように感じました。身近な人が、大学に進学できたという事実が、現役の学生たちの心に何かを残したのではないかな、と希望を感じたセミナーでした。

 

◇2020年 奨学生のご紹介

 

そして今年の新一年生のご紹介です。これまでは紅茶の収穫地域にあった19の公立小学校の校長先生に支援する学生を推薦してもらっていましたが、1校増えて20校、20名を支援することになりました。

 

1. ウェディ・ンカザ・ギクンダさん (Kathita小学校→Muthale女子高校)

2. ローナ・ンカザさん (Rugusu小学校→Ngandu高校)

3. シャロン・カリミ・キマジさん (Muruugi小学校→Ikuu女子高校)

4. ウィンジョイ・ンティヤリさん (Mpuri小学校→Yururu女子高校)

5. ワイズ・ブラウン・ムウィリギ君 (Kioru→Nkubu高校)

6. マーシー・ガトゥイリ・キビティさん (Nthimbiri小学校→Kaaga女子高校)

7. ジェイムス・カズリマ君 (Muri小学校→Chuka高校)

8. ニュートン・ムェンダ君 (Kathiranga小学校→Nkubu高校)

9. キマイタ・ブライアン・キジンジ君 (Kijijone小学校→Siakago男子高校)

10. シャロン・カウィラさん (Kithirune小学校→Gikurune女子高校)

11. シャロン・ムェンダさん (Kianthumbi小学校→Muthambi女子高校)

12. ピュリティ・カナナ・ムキイリさん (Kaugu小学校→Kithirune女子高校)

13. モファト・ムトゥイリ君 (Katheri小学校→Murembu高校)

14. ムリウンギ・レニー・ムトゥマ君 (Kaguma小学校→Gikurune男子高校)

15. エフィー・キマジ・キラニ君 (Karugwa小学校→Gikurune男子高校)

16. クリスティン・カウィラさん (Giantune小学校→Kirigara女子高校)

17. エドワード・コオメ君 (Kinjo小学校→Mugambone高校)

18. エドウィン・キマジ君 (Kiamiriru小学校→Abothuguchi男子高校)

19. モーリーン・カジュジュさん (Muthangene小学校→Kithirune女子高校)

20. イヴォンヌ・ンティヤリさん (Mbwinjeru小学校→Ruiga女子高校)

 

みなさまのご理解とご協力、感謝いたします。

 

郵便振替口座 00110-5-450063

日本ケニア交友会寄付金・奨学金係

または、

ゆうちょ銀行 店名 ゼロイチキュウ

 

当座0450063

 

 

 

◇茶畑を所有するケニアの女性たち

 

2012年9月の「ケニアからの手紙」でも書いたことがあるのですが、紅茶農家の女性たちが紅茶畑(茶の木)を所有している素晴らしさを、改めてお伝えしたいと思います。

 

昨年2月に押上のカフェikkA店主の豊島さんが、私のケニア訪問に合わせてケニアに初めて来られました。ギドンゴ製茶工場を一緒に訪ね、翌日は農家さん何軒か、おじゃまさせていただきました。製茶工場に長年勤める茶畑担当のピュリティさんが研修でお休みでしたが、製茶工場のアシスタント・ホテンシアさんが案内してくれました。

 

最初の農家さんは、少し大きな茶畑(約5500本の茶樹が植えられている)を持つエドワードさん。うかがうと、茶樹の3000本は彼の所有で、のこりの2500本は奥さんの所有だそうです(茶樹の本数は、茶葉を供給する製茶工場に登録しています。農家さんが摘み取った生の茶葉の重さにより、支払いが行われます)。

初めてケニアを訪れた紅茶好きの豊島さんは、「女性も茶畑を持てるってすごい。画期的!」と驚いたご様子。山のふもとの小さな農家でも、女性の自立や地位/収入向上をめざし、女性にも茶樹を所有することを奨励しています。このシステムは、かなりめずらしいと思います。ケニアの小規模農家、さらに女性に光を当てるこのやり方が浸透しているケニアは、かなり進んでいるといっていいと思います。

 

◇編集室より

モーリシャスみやげに、Green Teaをいただきました。マイボトルに茶葉を入れて、お湯を足しながら、一日飲めそうな感じの味です。(byひさこ)

 

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