ケニアからの手紙 Vol.23 2015年8月号

◇ケニア・ナイロビ・丸川さんからのメッセージ

暑中お見舞い申し上げます。暑い中、いかがおすごしでしょうか。

ナイロビは南半球ですし、7月と8月半ばまでは雲が掛かっていることが多く、朝などはうす暗くて寒いくらいです。私自身は真っ青な晴天で、太陽がカーッと強い日が好きです。朝曇っていると、どうも気分が晴れません。年に300日以上が晴天のナイロビでこれでは、日本に住んでいたらどうなっていたことやら。体が日射の贅沢に慣れてしまったのかもしれません。

実は、7月初めの10日ほど、家内と娘(16才になりました)を連れて、日本に帰っておりました。その間、京都の清水寺と、ユニバーサルスタジオに行ってきました。ハリーポッター館に入るのには、1時間半ほど列を作って待たねばならないのですが、周りをずっと観察していたところ、間違いなく私が最年長のようでした。日本で誕生日を迎えましたが、65才になりました。本人はまだ52~3才の積りでいますが。

それにしても、外国人、特に中国の方が多いですねえ。

誰の心がけが良かったのか、梅雨にもかかわらず、1度も雨に降られませんでした。その代わり、出発の16日夜、台風が接近し、飛行機が危うく欠航になるところでした。幸いにも、台風の足が遅く、予定より2時間前の出発で難をのがれました。

 

前回の「大作」で、奨学生選考のことを書き、寄付をお願いしましたが、予想を上回る寄付をいただきました。これで来年一杯、更にその次の年の半ばまで大丈夫のようです。でも、1度奨学生を取ると4年間、継続するとなると4年先まで考えなければなりませんので、やはりまだまだ心配させられます。今後とも引き続き、支援お願い申し上げます。 

一定以上の寄付をいただいた方には、子供たちから直接お礼の手紙が届くようにする、とも考えたのですが、90年代後半ニャフルルでそれを試したところ、手紙の中で生活の苦しさを訴え、「もっとお金を送って欲しい」、というお願いの手紙になってしまい、中止した経緯があります。本当の話を書いたのでしょうが、やはりアフリカ(ケニア)の田舎の貧困は半端ではなく、胸を痛めるだけの結果になってしまいました。

私のところには、毎学期の成績、次の学期の学費とともに、子供からの礼状も届きます。片切り文句の手紙が多いのですが、良いのがあれば、次回の手紙に掲載したいとおもいます。

 

報告が遅れましたが、我が奨学制度最初の高校4年卒業生5名の、K.C.S.E.(ケニア中等教育卒業資格試験―全国一斉試験です)の結果がでました。

 

  1. Linet Karwithaさん B+

  2. Mercy Gacheriさん  B+

  3. Joy Karambuさん    B-

  4. Joshua Kirinya君   A-

  5. Stephen Koome君    B


A-のJoshua君と、B+の二人は間違いなく大学に入学出来ると思います。前回の手紙で「当時は国立大学に入学できるのは、毎年1万人と少々」と書きましたが、現在は大学の増設と専門校の格上げで、4万人以上が国立大学に入学出来るようになっているようです。

Joyさんは、大学入学は無理ですが、今高校4年をリピートしています。この子は、前にも書いた寄宿高校ではなく、ハランベーのデイスクールに通っていました。学年でずっと1番だったようですが、やはりこのあたりがハランベースクールの限界だったのかもしれません。高校の校長先生のたってのお願いで、リピート(留年)させることにしました。授業料もハランベースクールは安いので、他の生徒の半分も払っていなかったでしょう。彼女の入学当時、ハランベースクールから寄宿高校に転校させる話があったのですが、立ち消えになっていました。確か、寄宿高校に転校する場合の学費の差、我々が払う75%の残りの25%が払えなかったので、ハランベースクールに留まったと記憶しています。

 

Stephen 君はボーダーライン上でしょうか。

 

貧しい子供が大学にパスしても大学の学費の支払いはどうなのかと、心配される方もおられると思いますが、国立大学にパスすると政府からローンの奨学金が支給されます。後に就職した際に返済するものですが、このローンのお蔭で大学進学は、高校進学より貧しい子たちにとってずっと楽です。うちのマネージャーのMUNGAI氏も毎月返済していましたが、去年あたりに一括返済したようです。

 

更に、奨学制度についての話をもう1つ。90年代後半から2006年までニャフルルで奨学制を行っていたことは、もう何回もお知らせしたと思いますが、その中から15人程が、2月28日ですからもう大分以前になりますが、我が家に集まってくれました。まあ全員が30代前半で、奨学制度初期のメンバーです。他にも15人ほどを予定していたのですが、さすがに忙しい中予定が入ったりで、来られませんでした。

やはりこうした場に来てくれるのは、かなり上手く行っている子たちで、銀行勤めが多く、あとIT産業、NGOで働いている子も何人かいました。私は彼らに、「お父さん、Dad」と呼ばれています。

去年8月で円満退社したDavid君も来てくれました。6~7のプロジェクトを持つ、キリスト教関係のNGOでオーディターの役職についたようです。半年ちょっとしかたたないのに、お腹が大分でていましたね。居心地が良いのでしょう。うちのオフィスの居心地が悪かったとは思わないのですが。

 

まあその席で、新しい奨学金制度を自分たちで始めよう、という話になりました。奨学制度の第2世代の誕生なるかというところです。

私の活動がキッカケになって、次々と連鎖反応を起こしてくれるのが理想ですから、そうなってくれると、初めは小さくとも本当に嬉しいですねえ。これにつき進行がありましたら、また手紙で報告いたします。


最後になりましたが、値上げのお願いです。今までにも何回かこの手紙上で書いてきましたが、いよいよ値上げせざるを得ないようです。

私も輸入業者ですので、この2年半の円安は決定的です。1ドル80円以下が、今は125円になってしまっていますので、同じドルの価格でも円建てでは1.5倍以上になってしまいます。更に、この3~4ヶ月ほどは、ドルあたりの紅茶価格も急上昇しています。

という訳で、本12月1日から10%の値上げをお願い申し上げます。

 

ナイロビでは、オフィスを私の敷地に移し、家賃支出を0にしましたし、David君の円満退社等で、人件費もかなり抑えています。しかし、とてもとても追いつきません。

という訳で、値上げへのご理解お願いもうしあげます。

 

ナイロビにて、丸川正人

2月28日に集まった、ニャフルルでの奨学金プログラムの学生たち(いまは、りっぱな社会人)。第2世代の奨学制度、誕生なるか!?

 

◇奨学金プログラムへの寄付 ご報告 

 

20143月からの寄付口座を開設して以来、みなさまから959,771円(7月末現在)のご寄付をいただきました。ありがとうございました。お知らせしましたとおり、第一期生の5名は無事高校を卒業しました。現在、34名の学費をサポートしています。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 

郵便振替口座 00110-5-450063 

日本ケニア交友会寄付金・奨学金係

または、ゆうちょ銀行 店名〇一九(ゼロイチキュウ)

当座0450063


◇東京事務所より夏季休業のお知らせ

 

815日(土)から827日(木)まで

ケニア訪問のため、受注と配送の業務をお休みさせていただきます。


今回のケニア訪問でも、昨年同様、製茶工場と紅茶農家訪問、奨学生たちを集めてセミナーをしてまいります。戻り次第、改めてご報告させていただきます。(ひさこ)