ケニアの修理屋さん

 

こんにちは、ひさこです。今回は、モノを直して使うケニアの人たちを、思い出しながら書きたいと思います。

 

ノーベル平和賞受賞・ケニア出身のワンガリ・マータイさんが『日本の「モッタイナイ精神」がすばらしい』と、本まで出したのはもう15年も前のこと。「モッタイナイ」という気持ちがあっても、壊れたら新しく買った方が安くて早い、というのがこのごろの日本ですね。

そんな日本で「ケニアに住んでいた」と話すと、「食べ物は大丈夫だったか」とか「危険な目に合わなかったのか」などがよく聞かれ、たしかに不便な面もありますが、そんなに気になりません。それよりも、多くの人が忘れてしまった、モノを大切に使うことのすばらしさを日々教えてくれるのがケニアです。

 

道路がボコボコというのと、自分自身けっこう道を歩くということもあって、履き物がよく壊れました。お気に入りのスニーカーの、底の樹脂部分と本体が離れてしまったとき、知人に靴を託すと、1週間後にはきちんと修理された靴が帰ってきました。業務用の大きな針でも使うのでしょうか、上手に直してくれたので、また問題なく履いて歩くことができました。あと、ケニア人がよく履くビーチサンダル(日本でいう「つっかけ」的な存在)も、道端のお店(青空の場合も多い)ですぐに直してもらえます。

 

交友会のナイロビ事務所で長いこと使っていたプリンターが故障したとき、新しいものを買うことになりました。そのときは誰かの伝手で、男性が喜んで引き取りに来てくれました。その方が修理して売るのか、自分が使うのかわかりませんが、壊れたらまず直そうと思うのがケニアなのでしょう。新しいものを買う金銭的な余裕がないというのが、理由のひとつだとは思いますが、器用にものを直せる人が多い気がします。そして、喜んで取りに来てくれた人、またどこかで使ってくれる人がいると思うと、なんだかうれしくなります。パーツがリサイクルされるのかもしれませんが、「捨てる」というのは、あまりいい気がしませんし。

 

わたし自身、手先が不器用なので、ケニアのようにちょっと直してくれる人たちが周りにいるというのは、便利な環境です。東京のようにコンビニがあちこちにあるのも、ときには便利ですが、こんなケニアもかなり便利です。