「もう・こ・り・た」

第11回金蔵寺文化講演会

講師:マトマイニ・チルドレンズ・ホーム代表 菊本照子さん

議題:「ケニアの子どもたちは今…」

 

ケニアに住んで32年、マトマイニ・チルドレンズ・ホームの代表・菊谷照子さんの講演会に行ってきました。場所は台東区の金蔵寺にあるホール。こちらの住職さんが、お坊さんになる前にケニアの日本人学校で教鞭をとっていらしたそうです。そのご縁で菊本さんの講演会を年に一度開いているそうで、今年でなんと9回目とのことでした。

ナイロビの孤児院の写真とともに、スラムの母親たちの現実についてお話がありました。その後は、民芸品のバザーと質疑応答がありました。

 

菊本さんは、親の保護を受けることができない子どもたち引き取る孤児院と、母親たちが安定した職を得るために手芸などを教えるワークショップ、農薬や化学肥料を使わない有機栽培農園の3つを管理していらっしゃいます。設立当初から、地道に植林をされていて、敷地内は緑の生い茂り、すばらしい環境で活動をされています。

 

ケニアのママさんたちが作る「フェルトアニマル」は、ケニア育ちの羊さんの毛を洗って染めるところから自分たちで行い、いまではとても人気のあるお土産になっています。生産が追い付かないほど!ケニアの一流ホテルにも卸していて、ヨーロッパやアメリカからも引き合いがあるとか。

 

「マトマイニ」とは、スワヒリ語で「希望」という意味です。やりたいことがまだまだたくさんあるとおっしゃる菊本さん。「ケニアには子供がたくさんいる。子供=希望。働きたい人たちはあふれるほどおり、質が問題だけど、この人材は磨けば光る...」ケニアに希望を感じ、ケニアに根を張って活動されてきた菊本さんの凛とした姿、ユーモアあふれるお話しを聞き、ケニアで継続して物事を貫く忍耐力の大切さを改めて認識しました。

 

最後に住職が教えてくれた仏教の言葉も心に残りました。

「忘己利他(もう・こ・り・た)」=己を忘れ他を利す、という意味です。

「もう懲りた、じゃないですよ!」とおっしゃる住職、覚えやすくて忘れられない言葉になりました!